魍魎の匣

文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)

文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)

すっかり京極堂シリーズにハマってしまい、BOOKOFFにてお買い上げ。あともう2冊も一気にまとめ買い。
こいつがまた分厚い。『姑獲鳥の夏』の2倍近く。
そしてまた京極堂が喋る喋る(´Д`;) 日本の神話や民話、陰陽道、神仏の話など基本的にすごく私の好きな分野だけど、京極堂の話は難しすぎてワケわからん。
でもこの作品は面白かった!少なくても、私は『姑獲鳥の夏』よりこっちの方が好き。
中心となるのは、インチキ宗教詐欺事件と、連続バラバラ殺人事件。一見して関連のないように思われる事件が、複雑に絡み合って一つに集約されていく。
匣(ハコ)の中にギッシリと隙間なく詰め込まれた少女。
その伏線があんな風に絡んでくるとはね〜。


京極堂の妹・敦子の、人間が死体をバラバラにするという精神状態を語ったくだり、なるほどと思った。
精神的に一番異常なのは殺人を実行した直後で、死体がそこに転がっているという“非日常”に気付いて取り乱す。
そこで、バラバラに分解してしまえば持ち運びも処理も楽だという、『重たく大きいものは分割してしまえば楽だ』的な発想に至る事によって、異常な精神状態から救われ、正常たる日常を取り戻そうとする、というお話。
むぅ・・・自分の中でうまく咀嚼しきれてないかも。
でも言われてみると、バラバラにして誰にもバレないように処理してしまえば犯罪から逃れ通常の生活に戻れる、と考えるのは正常且つ冷静な精神状態かもね。
私は多分出来ないと思うけど。


関口のダメさ加減とイジられっぷりはギャグなのか。癒されました(笑)
さて、次は『狂骨の夢』だ。