絡新婦の理

絡新婦の理 (講談社ノベルス)

絡新婦の理 (講談社ノベルス)

またも読破するのにウンヶ月かかったではないか。クソゥ。
一気に集中して読まないとダメだね、京極作品はさ。



魍魎の匣と近い作品じゃない?いろんな意味で。
まさかこんなとこで柚木加奈子が絡んでくるとは思わなかったねー。京極堂シリーズはやはり姑獲鳥の夏から順に読んだ方がいいという事だ。やべ、魍魎の匣読みたくなってきた。



今回のテーマは男と女、性。
京極堂が色々と説明してくれた中でも面白かったのが、母系社会のオハナシ。古くは夫婦を『めおと』と呼んでいたが、これは『女男』の事。同じように、父母は『おもちち』だがこれは『母父』、男女は『いもせ』⇒『妹兄』、というように古い言葉では女性の順位が先にきているのだそうだ。更に、古来は『親』とは母のみを指す言葉であり、老女の敬称である『刀自(とじ)』とは本来『戸主(とし)』つまり戸主(こしゅ)であるとの事。更に、東北から新潟、茨城、千葉などの地域では長く、長女が家督を継ぐという姉家督なる方式が採用されていたらしい。長女は婚姻前からカトクと呼ばれ、明確に戸主であるという自覚を持っているのだそうだ。刀自なんて言葉すら知らねぇ〜
しかし織作家の悲劇には目も当てられないね。近親相姦入り乱れでもう誰が誰の親か子供かひっちゃかめっちゃか。なんとなくあの人が『蜘蛛』かな?と思いつつ、終盤であれ?違うのか?と覆され、そして本当のラストでやっぱり真犯人だとわかる。そして冒頭の、京極堂と『蜘蛛』のやりとりへと続くのだ。
いや、あの終わり方がなんとも秀逸かと。