あなたのおっぱいは大丈夫?

私にしては珍しく、長編ノンフィクションです。時間がとれずなかなか出来なかったが、ようやく少しヒマになったのでこの約半年で起こったドキュメントをUP。仕事中に、ですが。



事の発端は4月中旬。いつものように着替えをしていた私は右胸上部に違和感を覚えた。そう、『しこり』である。触れば触るほどそれは明確な形をしていて、どうして今まで気付かなかったのか!?と不思議なくらい。真っ先に浮かんだ言葉。乳がん。はっきり言って他人事だと思ってた。まさか自分が、まだ若いんだし、と気にもかけていなかった病気が唐突に現実味を帯びて目の前に迫り、それはもう焦った。慌てた。
近くの総合病院へ駆け込みまずは触診を受けたが、予約がいっぱいの為精密検査を受けられるのが早くて5月末と言われてしまった。不安なまま1ヶ月過ごせと?とりあえず予約だけはしておいたが、大人しく1ヶ月も待ってるなんて冗談じゃない。触診では良性とも悪性とも判断できない、というなんとも曖昧な診察結果を聞いておきながら、そのまま何もしないでじっとしていられるわけないではないか。だって乳がんかもしれないわけですよ?悪性だった場合、ちんたらしてる間に進行してしまったらどうするの?
というわけで、約一週間後に、会社の健康診断にある婦人科検診を受ける事にした。取り急ぎ乳がん検診だけで、しかも超音波のみの検診を受けた。マンモグラフィーのみの病院と、2つ併用して受けられる病院もあったが、独自に調べたところ比較的若い女性にはマンモより超音波の方が効果的との事だったのだ。若い人と年配の方では乳腺の量が異なっていて、乳腺密度の高い若い人には超音波、逆に密度の低い年配の方にはマンモが向いているらしい。そんなこんなで超音波のみの検査を受け、ゴールデンウィーク明けの検査結果は『腫瘍』。あまりにもアッサリ言われたその言葉に泣きそうになった。良性か悪性かわからないとは言え、腫瘍という言葉はやっぱり重い。腫瘍=ガンとイメージしてしまうのは私だけだろうか。
その病院から細胞診を受けて下さいと言われ、実家の近くにある大学病院の乳腺外科へ紹介状を書いてもらう。そして大学病院で診察を受けたのが5月下旬。結局最初に行った総合病院の精密検査と同時期になってしまったのはまぁ忘れよう(結局最初の総合病院の精密検査は断りました)。そこでもやはり最初は触診、そして乳がん検診で撮影した超音波写真(のコピー)を見ながらの診察だけ。そこの先生はそこそこ有名らしいが、その方曰く『乳腺線維腺腫』という良性の腫瘍である可能性が高いとの事。もちろん触診と超音波の写真だけなので断言は出来ないが、限りなく良性の可能性が高いから安心していいとの事だった。6月頭にマンモグラフィーを受ける事となり、その日はひとまず診察終了。そもそも細胞診を受けに行ったのだが、その話をすると、いきなり体に針やメスを入れることはしないそうなのだ。マンモグラフィーの後に再度超音波検査をして、それでも悪性の可能性があるようであれば細胞検査をしましょう、と。「女性の胸の問題はデリケートだから、むやみに傷をつけるような事をしないのが現代の医療だ」と、やたら強く主張しておられたのにちょっと違和感を覚えたのは確か。でも気にしすぎても仕方ないと思い、大人しくマンモグラフィーを受ける事にした。マンモグラフィーとは胸をギュイーンと押し潰し引き伸ばし極限まで薄っぺらくした状態で撮影するレントゲン。話には聞いてたけど・・・・・・想像を絶する痛みに失禁寸前。大袈裟ではなくマジで気絶するかと思った。レントゲン技師さん(♀)が言うには、あまりの痛さに貧血起こす人も多いんだとか。頷ける。左右の胸をそれぞれ上下方向、左右方向の2回ずつ、計4回押し潰され撮影終了。胸の形戻らなくなるんじゃないかと思うくらいペシャンコにされたが、無事元に戻ったのでご安心を。
マンモの結果が出る日に超音波を受け、先生の診断結果はやはり良性の腫瘍である『乳腺線維腺腫』。20代、30代の女性に多く見られる腫瘍だそうだ。しかしいくら良性とは言え、腫瘍をそのまま残しておくのは嫌だったので切除を希望してみたのだが、悪性に変わる可能性はなく加齢に伴って縮小していくケースもあるため、とりあえず3ヶ月様子を見ましょうと言われてしまった。そこでもまた、むやみに女性の胸に傷をつけないポリシーを聞かされややウンザリ。つーか疑問?いくら女性の胸とは言え、本人が希望してるんだから切り取ってくれればいいじゃん。良性という判断だって表面からしか見てないわけだし、100%悪性でないとは言い切れないんじゃないの?とか色々思うところもあったのだが、結局先生の言うとおり3ヶ月の経過観測となった。
そして去る9月頭、再度大学病院へと向かい超音波検査を受けてきましたよ。今回はマンモなしで超音波だけ。触診と超音波の結果から腫瘍自体に変化はなく、形も大きさもそのまんま。今度は半年後に様子を見せて下さいという事になったのだが・・・今となってはもう危機感も薄れ、悪性かも!?と不安な気持ちを忘れかけていた為、あまり強く食い下がらなかった。次は半年後で間が空くわけだが、その間に痛んだり気になって何も手に付かない、というような事があったら予約日を待たずに来院していいので切除しましょう、というところで落ち着いた。
正直な話、スッキリはしていない。なぜあそこまで女性の胸に傷をつける事に拒否反応を示すのか。細胞診断なんて針入れるだけですよ。そりゃ普通の針よりは太く多少痕が残るかもしれないけど、それやれば一発で良性か悪性かわかるんじゃないの?女性の胸には極力傷を付けないのが現在の医療方針だから、という理由でそれをしてもらえないのは甚だ納得出来ません。医療方針より事実を明確にする事の方が重要なんじゃないでしょうか?そんなわけでスッキリしていない私はセカンドオピニオンとして別の病院でも検査を受けたいのだが、なかなか時間がとれずこの先も行けるかどうかわからない・・・。しかし不安な気持ちの一方で、やはり医者に良性であると言われると安心して心が軽くなったのも事実。病は気から、じゃないけど、不安はストレスとなりストレスは病気となる。機会を見て別の病院へ行く事を考えつつも、前向きな気持ちでいようと思います。
私は若いから乳がんなんて関係ない、なんて思っていたら大間違いです。脅かすわけではないけど、今、乳がんに罹患する女性が増えているそう。
あなたのおっぱいは大丈夫ですか?
自分で検診するクセをつけましょう。



乳がんホームページ
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